写真が溜まってきたので8600系の形態差まとめ。
現行仕様において外観でもわかる形態差のみです

8600系は奈良線系統の新製冷房車として1973年に登場した形式です。1979年までの6年間で6連1本、4連20本(うち編入1両)が製造されました。
走行性能は他の8000系列と同じですが、組成がMc+T+M+Tcと動力配置が分散している違いがあります。


・新製時からの形態差
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前期型 8601F(X51)~8610F(X60)
最初に登場した10本です。ラインデリアが装備されておらず、送風器がローリーファンとなっています。行先方向幕を新製時から設置し、サボ受けを常用しないため前面サボ受けはありません。


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後期型4連 8611F(X61)~8616F(X66)、8618F(X68)
増備途中に仕様変更がかけられたグループです。クーラーキセが前期車の物より長くなっている違いがあります。


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後期型新製時2連 8617F(X67)
元々は2連でC#8617がダブルパンタで新製されましたが、その後1年経たずで中間車のモ8667を新製、更に爆破被災車モ8059を中間車化・電装解除したサ8167が組み込まれ4連となっています。
現在はB修工事が行われ、サ8167が元モ1062(←920系モ924)のサ8177に差し替えられています。C#8617のパンタ撤去跡、サ8167の屋根段差・車両向き・側面窓の形態が異なっているのが特徴です。


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後期型6連 8619F(X69)
8600系唯一の6両編成です。幕の故障時やコマに無い表示を掲出するのにサボ受けは必要と判断され、この編成から前面サボ受けが設置されています。


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最終増備型 8621F(X71)、8622F(X72)
1979年に製造された編成です。冷房効率を高めるために冷房送風にラインデリアが併用されました。
外見上では前面サボ受けがあり、登場時から下枠交差パンタを装備している特徴があります。



・後年改造による形態差
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界磁位相制御化改造車 8151F(X51)~8153F(X53)、8162F(X62)
省エネ化を目的に、8800系に準じた界磁位相制御に改造された編成です。結局車体重量が重たいことから予想ほどの効果が得られず途中で改造が打ち切られました。
編成がTc-M'-M-T'cのユニット方式へと変化したことで、難波方先頭車がモ8600形からク8150形へ変更され、スカスカの床下とパンタ撤去跡が大きな特徴となっています。


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パンタ換装車 8611F(X61)、8612F(X62)、8616F(X66)、8619F(X69)※一部のみ
パンタグラフが下枠交差パンタに交換された編成です。このうち8619F(X69)は奈良方の2基のみ交換されています。
※追記:2020年8月にX66編成のパンタグラフが下枠交差に換装されました


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界磁位相制御化改造+パンタ交換車 8612F(X62)
どちらの改造も行われたこの編成にのみ見られる形態です。ぱっと見8800系に見た目が似ていますが、難波方先頭車C#8162のパンタ撤去跡と前面サボ受けが設置されていないことで見分けが付きます。


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側面窓固定窓化改造車 8605F(X55)~8607F(X57)、8617F(X67)※サ8177のみ
B修工事を行った際にドア間側面窓の2/3を一枚ガラスの固定窓化した編成です。大して意味が無いと思ったのか、3編成施工した段階で終わっています。
加えて8617F(X67)のサ8177のみ、編入前に1枚窓化されているためここだけ側窓形態が異なります。


とりあえずこんなところです。いかんせん20編成以上いるので形態差も多く、中々一筋縄ではいかない形式となっています。
B修の車内更新や手すり形状など車内の形態差もありますが、ここでは割愛します。