前回からまた続いてしまいました。近鉄角屋根車です。
第1回で主な形態の違い、第2回で形式をわけるタイミングについて見ていきました。

今回は同じ顔の塊を「グループ」で分けて見ていきます。
これを噛み砕いて書くの?マジで?って頭抱える程度にはしんどいです


顔を見るな。全部同じだから気が狂ってしまう。本質だけを見ろ。


・グループと電算記号
角屋根車ではまず、「制御装置の方式、メーカー」と「両数」で大きなグループ分けをしています
たとえば、三菱製VVVF制御装置を積んだ2連だと総じて「14**系」になり、日立製VVVFの2連であれば「12**系」になります。なお、軌間が違う南大阪線の2連では「64**系」となります。

「まあおおかた整備や運用が違いすぎるやつは別のグループなんだな」ってぐらいの感じで大丈夫です。実際そうです。


さて、このグループで見るときに非常に便利になるのが「電算記号」です。
近鉄ではこういう言い方をしますが、つまるところ編成番号です。
電算記号はアルファベット1文字ないし2文字と、編成番号の起点駅側下2ケタを組み合わせて表記されます。

各路線系統や車両でアルファベットの付け方はそれぞれ異なりますが、2文字表記の場合主に1文字目は車両種別を表しています
角屋根車の場合ではチョッパ車ならFRVVVF車ならVL/CカーならDとなります。

2文字目は主に両数を示します。
一覧にすると
大阪線、名古屋線系統
・2連:三菱製「W」、日立製「C」※
・4連:VVVF車「G」、チョッパ車「C
・6連:「F
※:制御装置の製造メーカー

奈良線系統
・2連:「E
・4連:「L
・6連:「H
となり、角屋根に限らずこれが基本になっています。
もちろん例外も存在しますが、いわゆるVX(5200系)など明確にスタイルの違う物ばかりなので特に難しいものではありません。またチョッパ車が若干暗記ゲームの節がありますが、形式が少なくかわいい(←重要)ので割とスッと覚えられます。

また、南大阪線はそもそも近鉄と走ってる電車が同じだけで運行管理も全く別で、実質大阪鉄道+吉野鉄道なので標準軌線区の常識が通用せず、全く違う記号になっています。


さて、ここまでの事を踏まえた上で角屋根のVVVF車をグループごとに見てみます。
かもしか-9
かもしか-10
以上7グループになります。見にくいと思うのでクリックで要拡大です。

たった7グループですよ!!7グループ!!!流石にこれでわからんは無いですよ。
わちゃわちゃした形式群も同じグループ内であれば上2ケタは変わらないため、グループに当てはめてみると「あ、ただこのグループ内で何か仕様変更がかかっただけの話だな」と理解できるかと思います。

また電算記号もこのグループごとに大体まとまっており、両数や所属による違いがあるだけです。それならどこの編成記号にだってあるので至極当然な話です。
特に2連車は大量の形式を内包しているので電算記号で見た方が圧倒的にシンプルになります。というか2連車は形式で見るとワケ分からなさすぎるからやめた方がいいですね。下手したら死にます

正確に言うと「1420系列じゃなくて1420系列、1422系列、1430系列の3系列やぞ」とかいう類いの話はあるのですが、その重箱の隅突ける時点でこんな記事読まなくても全部理解できてる人種なので無視です。というかそういうのをいきなり言うから近畿日本はいつまでも理解されないんだって…


というわけで、グループで見る角屋根車でした。
ここまで来たら近鉄角屋根車を理解するのはかなり簡単になります。というか、角屋根車が何かという事に関してたぶん7割はここまでの話で把握できてます。
あとは見た編成を調べて形式に当てはめていけばマジでほとんど把握できると思いますね…

つづきました。もうわかってさえいれば地獄じゃない、はず
次回→グループ内における形式の変化