梅田サイン導入後に駅とその周辺施設がどのような状況になったのかを見ていく話みっつめ。

前回までは以下のような部分を取り上げています。(各記事リンク)
①→大阪駅、梅田駅のサイン現状
②→梅田東側および北側にある施設のサイン現状

今回は梅田周辺の南側および西側にある施設についてのサイン現状について見ていきます。


・大阪駅前地下道(アリバイ横丁周辺)
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大阪駅の南側、大丸百貨店との間にある道路の下に走る地下通路です。
最近まで写真右側の壁にずらーっと各都道府県の名産品を売る商店が軒を連ねており、カラ出張を誤魔化すためのアリバイ作りが出来ることから「アリバイ横丁」と呼ばれていました。
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前回と同じく「大阪・梅田駅周辺サイン整備検討協議」内の図を基にすると、赤で示したエリアを指します。

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ここのエリアは2023年完成を目途にリニューアル工事を行っている最中のため、サイン類はまだ更新されておらず大阪駅が大規模改装工事を行うからの物が使用されています。

いずれも結束バンドで筐体の数か所を括り付け、テープをグルグル巻きにしてパネルの滑落を防止しているというとんでもない見た目をしており、痛々しい印象を覚えます。
表記も黒のガムテープであちこちが目張りされており、いかにも満身創痍という感じです。


・ディアモール大阪
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大阪駅の南側から大阪駅前ビルの下を抜け、北新地まで伸びる地下街です。
北新地駅開業の2年前にあたる1995年に開業しており、梅田の地下街の中では比較的新しい部類にあたります。
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範囲は図の赤で示したエリアの通りです。範囲は割と広く、直結しているビル数も意外と多くあります。

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2020年7月現在、ディアモールの梅田サイン化はされていません
いずれもグレー地白文字水色ピクトグラムの組み合わせになっていますが、サインの設置場所が高いこともあってか文字が見づらく、かつ水色のピクトグラムは退色しやすく更に色が飛びがちなので無いのも同じです。
正直視認性がいいサインとは言えず、梅田サインへの更新が待たれます。

というかこれ、筐体傾いてるんだけど大丈夫…?


・大阪駅前第1ビル
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大阪駅の南側に建つ4本のオフィスビルです。このうち第1ビルは1970年に竣工し、他の3本のビルとは構造が異なっている部分があるのが特徴です(特に地下2階)。

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駅前ビルのうち、第1ビルのみサイン類の更新が行われていません。
駅前ビルは梅田サインへの更新対象外ですが、それとは別に駅前ビルの第1ビル以外では数年前にサインの更新が行われています。

おそらく地下の構造が他と違うのが理由とは思いますが、現状今の中途半端な状態でそのままになっており今後更新を行うのかどうかは不明です。


・大阪駅前第2~4ビル
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大阪駅に建つ4本のビルのうちの残りの4本です。
ちなみにこの中では第3ビルが最も規模が大きく、ここにオフィスを設けることが一つのステータスともなっている代表的なビルです。
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第1ビルと同じく梅田サインの更新対象外ですが、それとは別にサインが一新されています。
ピクトグラムはGIS規格のピクトグラムを路線ごとに色付けしたものが地下鉄に使用されており、JRや私鉄はテキストのみで示されています。
なお第4ビルはサインのデザインが少し異なっています。


・OSAKA GARDEN CITY
西梅田駅3号出入口からさらに西側(福島方面)へ伸びる地下通路です。
ハービス大阪の下付近を通っており、周辺の各施設と直結しています。
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範囲は赤で示した通りです。一番奥には壁に封印されたラスボスがおり、条件を満たして倒すと楽園の福の島へ至ることができます。
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梅田からは離れており、めぼしい商業施設もないので人通りは少ないですが梅田サイン化されています。
一番の特徴としては背景が青色でシックな印象になっています。また、表記されている場所までの距離がどのサインでも表示されているのも独特です
また、通路中ほどの広場には2枚目のようなサインも設置されています。阪急梅田まで1045mってなんだよ…

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更新前はこのようなサインが使用されていました。
元々は白地黒文字でGIS規格に準ずるピクトグラムが使用されており、今回の梅田サイン化でデザインが一新されたことがわかります。


・ドージマ地下センター(どーちか)
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西梅田駅から更に南へ伸びた地下街です。
京阪中之島線渡辺橋駅の手前まで伸びていますが、駅自体への乗換はいったん階段を上って地上に出る必要があります。
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エリアは赤色で示した範囲です。
大阪駅からもめちゃくちゃ離れてるので、正直存在すらあまり知られていません。

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中心部から離れすぎているために梅田サインの対象範囲外なので、当然ながらサイン更新は行われていません
どころか入り口では京阪線への乗換を案内しているのにも関わらず中のサインは中之島線開業にすら対応していないものがほとんどなので、基本的に中之島線の案内は書かれていません。

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一応中之島線開業後に何らかの理由で交換され渡辺橋駅の案内が書かれたサインも存在はしますが、ごく少数にとどまっています。



というわけで3回にわたって梅田駅とその周辺のサインについて見てきました。
2020年7月現在ではまだ更新されていない部分もありますが、おおかた梅田サイン化が行われており視認性の向上と表示の統一が進んでいると感じます

ここで出したサインは各施設の代表的なものだけ取り上げただけですが、実際はその場所に適するように筐体形状や表記内容が変わっているためもっとバリエーションがあります。

地下迷宮梅田に来たときはサインシステムにも目を向けてみると新しい面白みが発見できるのではないでしょうか。